2013年2月18日月曜日

PENTAX Super-Takumar 55mmF2 (M42)

 今回は最初に試写サンプルを・・・

 シャドー部からハイライトまで自然な階調で表現されている写りだと思います。と言ってもコントラストに欠けるといった甘い感じではなく、シャドーはつぶれずに締まりはあって、ハイライトも飛び過ぎることなくトーンがしっかりと残っており、カメラのダイナミックレンジを有効に生かせるレンズかなという印象です。マイクロフォーサーズに使用するとこのような中望遠的な画角となり、前後のボケも柔らかく、ポートレート写真等にとても良くマッチする一本だと思われます。低価格でこれだけの写りが得られるコストパフォーマンスに長けたそのレンズとは・・・


 ペンタックスのM42マウント【Super-Takumar 55mmF2】・・・タクマーシリーズの標準レンズとしては50mmF1.4や55mmF1.8と共に定番の一本と言えるレンズです。
 この品のレンズキャップは『HONEYWELL PENTAX』となっていることから米国向け輸出品だったと推測されますが、デザインはほぼ黒一色といった構成で見かけ上の大きな特徴も無く、いたってシンプルな外観です。勿論レンズの性能と外観の見た目は関係無いのかもしれませんが、オールドレンズを楽しむという観点からするとやや面白味に欠けるのかなと思っていました。1960年代後半から70年代にかけて相当数の生産本数があるタクマーですので中古市場でもよく目にするため、希少性という点からも除外されがちと思われますが、一つ注目すべき点が・・・。それは以前に紹介したライツ沈胴ズミクロン初期型と同じ、トリウム配合=放射能レンズ?という点です。この?を解決するためにはズミクロンと同様にガイガーカウンターにて測定をしてみるしかありません・・・


 同じタクマーシリーズの28mmF3.5と比較してみることにしました。55mmF2はトリウムレンズの特徴である黄変が現れていますので・・・


 結果はこの通り・・・【55mmF2】はどうやらトリウムレンズということです!ズミクロンとは逆でレンズ後面側で高い数値が計測され、値は2~4μSV/hとほぼ同じレベルが出ています。ズミクロンは前玉側、タクマーは後玉側にトリウムレンズが採用されているという事かもしれません。ズミクロンは解像度の高さが大きな特徴として挙げられており、その性能は実際に試し撮りでも実感することができましたので、このスーパータクマー55mmF2についてもテスト撮影を重ねてみるべきですね。ズミクロンと比較してみるというのも面白いかも知れません。

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