2013年4月15日月曜日

KERN SWITAR 25mmF1.4 AR (C)


 スイスのシネ用Cマウント、ケルン スイター【KERN SWITAR 25mmF1.4 AR】です。同じスイターの16mmレンズ【KERN SWITAR 16mmF1.8 RX】は以前に紹介しましたが、今回は25mmの開放F値1.4でARタイプという一本です。鏡胴部が黒ペイントで、直線の細かいローレットが刻まれたリングは中央にピントリング、先端側に絞りリングという配置になっており、これら基本的なデザインは【16mmF1.8】と同じ構成です。少し異なる箇所として被写界深度を示すオレンジ色のマーカー(ビジフォーカス)が今回の【25mmF1.4】には設けられていません。ケルンの特徴的な機構とも言えるこのオレンジ色が見られないのはちょっと残念なところですが、その代わりに絞りリングを操作すると”白いライン”で深度を表す形式になっています。


 経年で多少汚れも見られる状態ですが、この白いラインの深度表示もシンプルでわかりやすい方式かと思います。


 ケルンのシネレンズらしくこの【25mmF1.4】も中央部のシャープさは素晴らしいですね。絞り開放からキレのある描写が得られるというのは特筆すべき性能と言えるかもしれません。マイクロフォーサーズ(4:3)でこれだけ周辺がケラレますが、ボケ味も柔らかく雰囲気のある画作りが期待できる一本です。


 Panasonicのミラーレス一眼LUMIX GX1に装着した画像です・・・コンパクトな黒鏡胴のレンズが違和感なくボディと調和しています。レンズ単体でも十分格好いいデザインだと思いますが、ボディに付けることで機能的な美しさが更に際だってくる・・・そんな雰囲気のあるオールドレンズだと思います。
 レンズを紹介する上で”外観”や”写り”に関しては写真を載せることである程度は伝えられると思うのですが、リングの操作感やトルク感を文章で伝えるのはなかなか難しいですね。自分では適度だと思っても人によっては重く感じる方もいる・・・そんな個々の感覚の違いを埋めることはほぼ不可能なのですが、このレンズの操作感を表現すると・・・ピント、絞り共に『しっとり系』と言える上質なものです。
 シネレンズはサイズも小さい事からどうしてもリングの感触がイマイチと感じてしまうモノも多いのですが、ケルンはそんな中でも上質さを感じられる造りだと思います。 感触の善し悪しは・・・”ガタの有無”、”可動範囲全域での均一性”、”こすれ音等の有無”、”ストップ位置でのあたり”、等の要素で決定する訳ですが、このケルンスイターはこれら要素がバランスよく実現しているのだと思われます。ただし操作感を判断するためにはグリスのメンテナンスがしっかりとされていることが前提ですので、一概にレンズの特徴と決めつけてしまうわけにもいかないですね。この点は写りに関しても同様で同じ種類のレンズでも個体差によって違いが生まれてくる・・・こんなところもオールドレンズを楽しむポイントになるかもしれません。




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